【連載】小児科 ‐ こどもの便秘 気づいてあげて

CHILD'S SCHOOL

こどもの便秘
 気づいてあげて

 最近、便秘関係の受診が増えているような印象があります。外遊びの機会がコロナで少なくなっていることと関係あるのかもしれないと心配しています。

こんなことありませんか?
□強くいきまないとうんちがでない
□うんちをした際に血がつく
□うんちをした際におしりの穴に痛みがある
□うんちをした後もすっきりしない
□おなかが張って苦しい
□おなかが痛む
□もう3日出ていない
□コロコロうんち、硬いうんち

 お子さんの排便がどうなっているか注意を払ってみて下さい。
 便秘は一旦陥ると悪循環を作ってしまいます。

便秘が始まると、ますます便秘に
①排便に痛みがでてくると排便をいやがり、がまんしてしまう
②学校で排便を催すようになり、学校ではやりたくないとがまんする
③うんちがどっさり貯まるようになり、貯まったうんちで腸の動きが鈍くなる。
 便の停滞時間が長くなり、その間水分が吸収されて便が硬くなる
④どさっと貯まったうんちが腸の壁を常に横に引き延ばす。
 この状態が続くと腸の壁にある排便センサーが鈍くなって、うんちをしたくなくなる
それぞれがまた便秘を助長していきます。


うんちが出やすくなる六つをチャレンジしてみよう
 ①できるだけ朝にうんちをする
 ②毎日朝ご飯を食べる
 ③すききらいなくご飯をたべる
 ④お外で元気よく遊ぶ
 ⑤トイレは我慢しない
 ⑥水分をしっかりとる

①、②について
「朝うんち・朝ヨーグルト・朝便器」
 昼私たちは手足を動かしています。夜、手足はお休み中、その代わり腸は大忙し、一生懸命うんちを作ります。朝、出来上がったうんちを出してあげる、これが一番お腹に優しい。朝うんちするためにはまず朝ご飯をしっかり食べましょう。胃が膨らむと胃大腸反射が働いて、腸に貯まったうんちをだそうとします。この胃大腸反射は特に子どもではっきりしていて、子どもはよくご飯の最中にトイレに行きたがるでしょう。(食事中にトイレに行くのを大人は叱らないで下さいね)私は、さらに朝ヨーグルト、朝便器を勧めています。冷たい水やヨーグルトをぐっと飲んで、トイレにダッシュ。5分間出なくても座る習慣をつけましょう。出ないからといって叱らないで、そのために5分早起き、そのために5分早く眠るようにします。

③について
 納豆はすきですか?のり・リンゴは? ゼリーは? 野菜・おいもなど繊維の豊富な食事をとるようにします。無理強いさせないで好きなもので工夫しながらお願いします。
 便秘を放っておくと大人にまで引きずっていったりすることがある一方で、良くなったら夜尿・頭痛も改善した児もいたりして、たかが便秘とあなどれません。
 私たちはまず、排便痛を取ってあげること、貯まったうんちを一旦出してあげること、生活・食事指導、そしてお薬の処方を行います。お薬を出したら二週間後再診してもらいますが、よくならない、却って下痢になったなどのお叱りを受けたりします。もともと個人差が大きいのは覚悟の上、少しずつ調整していきます。お薬はよいうんちが続いて排便センサーが回復するまで、長く続けることが大切です。うんちノートを活用してはいかがでしょう。

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