【連載】かごしまお魚再発見50

お魚再発見

お魚ファイル50 ヤマメ

ヤマメ

大富先生(鹿児島大学水産学部)に、
鹿児島のお魚のことを教えてもらえるこのコーナー。
今回は、からだの模様が美しい、おいしい川魚をご紹介!

名前も見た目もとても美しい
食べてもおいしい「渓流の女王」

 「ここ何年、海で泳いでないわ」というそこのアナタ…、もしも魚に生まれ変わるとしたら、どんな魚がいいですか? ファインディング・ニモのカクレクマノミ? それとも凶暴なホホジロザメ? …心がきれいなアナタにお似合いなのは、ヤマメだと思いますね。海の魚ではないですけどね。漢字で書くと「山の女の魚」。なんて美しい名前でしょう! サケの仲間、渓流の女王ですよ。「えっ、サケの仲間が九州にいるの?」とお思いでしょうね。いるんですよ。とてもめずらしいですけどね。パーマークと呼ばれる斑紋がならんだ魚体は美しいですが、銀色に輝く顔、そして大きな口は、どうみても“肉食系”。サケの仲間の顔立ちです。そんなギャップもいいじゃないですか。
 見た目が美しいヤマメは食べてもおいしい魚。塩をふって串にさし、たき火で焼いて食べる。きれいな河原でこんなことができたら素敵ですよね。塩で焼くのは定番の食べ方で、大自然が味わえると言っても過言ではないでしょう。刺身もおいしいですね。しかし、天然のヤマメにはエサ由来の、人体に害のある寄生虫がいることがあるので要注意。実は、現在私たちが食べているヤマメの多くは養殖物です。人工のエサを食べているので寄生虫の心配はほとんどありません。でも、海のものでも山のものでもやっぱり旬の天然の魚はおいしいですよね。

ヤマメ
 北海道から九州の、水の冷たい川の上流にすんでいるサケ目サケ科の魚。全長20㎝くらいのものが多いですが、大きいものは30㎝を超えます。体にパーマークと呼ばれるグレーっぽい小判型の斑紋がならんでいます。ヤマメは川で生活をしますが、一生の間に川と海を行き来するものはサクラマスという別の名前で呼ばれ、体は銀色で大きくなります。

海に降りればサクラマス
 サケやマスの仲間は同じ種類であっても、一生を川で過ごす陸封型と、一度海に降りてから卵を産むために川にもどってくる降海型に分かれます。同じ種類なので学名は同じですが、日本語ではちがう名前がつけられています。ヤマメは陸封型で、降海型のものはサクラマスと呼ばれ、体は銀色でヤマメよりもずっと大きくなります。一度冷凍にしたサクラマスの刺身、いわゆるルイベはとてもおいしいです。大海原でたくわえた天然の脂がたっぷりのっていますよ。

コメント

  1. 匿名 より:

    お魚ファイルは、知らなかったことを詳しく学べて毎回勉強になりおもしろいですね

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