【連載】内科・心療内科30 – 父親の役割(その3)

CHILD'S SCHOOL

父親の役割(その3)

 父親の育児や家事への参加が奨励されている令和の時代、子育て中のお父さんは何かと大変と思いますが、あと一つ大事な父親の役割があります。

一家の大黒柱として

 それは、家族に試練や問題が降りかかってきた時、母親と子どもが不安定になったり、家庭がぐらついたりしないように、どっしり構えて慌てず、ひるまず、逃げないで「家族を支え・励まし・守る」ことです。男らしくあれと言っているのではありません。家族を守り、子どもを一人前に育て上げるためには、父親と母親にはそれぞれの役割があり、それがうまく機能した時に子どもは健全に成長し、家庭は安定します。
 例えば、妊娠から出産、育児の期間中は、母親は睡眠を含め自分のことは全て犠牲にせざるを得ません。この時期の父親の対応次第では、母親が産後うつや不安症になるリスクが高くなります。これを予防するには、父親として思いやりを持ち、育児の大変さについて共感しサポートすることが必要です。そして精神的な不安を与えず、母親が安心して子育てに専念できる環境を整えてあげることが大事です。
 

悩む子どもへアドバイスを

 また、子どもが学校に行くようになると、集団生活や友達関係、学業や部活動で様々な問題にぶつかることが多くなり、父親の出番が増えます。ここで大事なことは、小さい時から子どもと関わりを持ち、子どもにとって強くて頼りがいのある存在になっていることです。一方母親は、子どもの前で父親のことを肯定的に言ってあげることが重要です。すると父親と子どもの間に信頼関係が生まれ、子どもは父親のアドバイスを受け入れ、直面した問題に前向きに取り組むようになります。ここで気をつけて欲しいことは、父親の支配性が強いと子どもが「お父さんは怖い」と思って萎縮し、子どもの成長に逆効果になります。
 さらに反抗的な言動や行動が激しくなる思春期は、母親だけではとても対処しきれない場面が出てきます。その時の父親の対応は重要です。子どもにしっかり向き合い、訴えを聞きつつも、良し悪しをはっきり伝えて「ダメなことはダメ」と毅然とした態度を取り、子どもの言いなりにならないことが大事です。そうすることで子どもの成長に大事な「我慢する力」が育まれます。

家族の言葉を聞く力と受け止める度量が大切

 それ以降も幾多の問題が出てくると思いますが、それらを乗り越えていくには家族が信頼して支え・励まし合うことが大切です。夫婦間で意見が対立する場合は、お互いにある程度のところで妥協したり、譲り合うことも必要です。ここで父親に求められることは「聞く力と受け止める度量」です。答えを出す必要はなく、家族の主張や考えをしっかり聞いて、受け止めてあげるだけで落ち着くことがよくあります。
 ″男はつらいよ“と思うこともあるかも知れませんが、父親という立場にプレッシャーを感じないで、自分の選んだ人生を楽しく生き抜いて欲しいと思います。頑張っているお父さんを、いつも応援しています!!

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