飲めないときは相談してください
子どもがなかなかお薬を飲んでくれないと悩んでいる親ごさんも多いことでしょう。
子どもはもともと異物(薬)に対する反応が敏感な上、特に乳幼児は薬をうまく飲み込むことができないために、薬を飲ませるときにはいろいろと工夫が必要です。年齢によって、お子さんによって、そして成長によって工夫の仕方も違ってきます。決まった正解はありません。試行錯誤して上手に飲める方法を探してあげましょう。
お薬の袋には8時間おきとか、食後に飲むようにとか書いてあっても、睡眠、食事の回数が多い乳児、幼児ではなかなか思うようにはいきません。まして体調の悪い時にはなおさらです。一般的にはむしろ空腹や食前のほうが飲ませ易いと思います。あまり気にしないで、一日当たりの回数・量だけは守るようにしてください。
乳児の場合、粉状の薬は水や湯ざましで練り、だんご状にしてから指先で上あごやほおの内側にぬり付けて、その後ミルクや飲み物を与える方法が一般的です。少量の白湯に混ぜてスポイトで口の中に入れてやるのもよいでしょう。シロップ剤の場合は、スプーンやスポイトを使って口に含ませ、その後ミルクや飲み物を与えるとよいでしょう。ミルクに直接混ぜて与えるのは、ミルクの味が変化してしまい、ミルクを嫌うようになる恐れがあり避けたいものです。最初は極少量のミルクに混ぜ飲ませ、その後は普通のミルクを飲ませることは許されると思います。また乳児は吐きやすいので、満腹時より空腹時の方が楽に飲ませることができます。
幼児の場合、ジュース、ココア、ヨーグルト、スポーツドリンクなどに混ぜて飲ませるのも一つの方法です。あまりたくさんの液に溶かしてしまうと全部飲みきらないことがあります。ほかにもアイスクリーム、プルーン、おろしリンゴ、砂糖などに混ぜて与えても構いませんが、下痢を起こしている場合は甘い物やアイスクリームに混ぜることは避けてください。そして薬(クラリスなど)の中には混ぜる相手によって味がかえって苦く変化することがありますので注意しましょう。乳児、幼児いずれの場合も、一度に1回分を全部与えるのではなく、3、4回に分けて少量ずつ与えてもよいでしょう。
子どもに薬を上手に飲ませるコツは、子育ての方法と同じで1歳過ぎると安心できるような言葉かけも有効です。「コンコン虫をとってくれるよ」「これを飲んでかゆいかゆいのとんでけー」など声かけ説明して自分にとって大切なものという自覚を持たせる、服薬ゼリーを選ばせたり、薬をかき回せるなど楽しく薬の準備を手伝わせる、お人形を使う、そして少しでもうまく飲めたら大いにほめてあげてください。そして「次も頑張ろうね」と励ましてあげてください。
飲ませるタイミング含めていろいろ工夫してもどうしても飲めないお子さんがいらっしゃいます。お薬の時間がお互いの「恐怖の時間」にならないようにしたいものです。そんなとき、お薬の中には何がなんでもきちんと飲んでほしいものや、それほど厳密でなくても飲めばそれだけ楽になるよといった薬までいろいろあることを思い出してください。
お子さん、お母さんが努力しても飲めない場合、自分やお子さんを責めるのではなく、遠慮なく医師や薬剤師にご相談ください。なるべくよい方向へ今度は私たちがお子さんの状況を総合的に判断して、工夫しよりよい方向を考えていきます。大丈夫です安心してください。
工夫の具体例
①甘味料または香料を加える:砂糖・蜂蜜(1歳以上)・水あめ・シロップ、チョコレート、
ココア、はっか、バニラなど
②服用後、すぐに好きな飲食物・甘味料を与える
③服用後、少量の食塩を与える(口中の苦みを早急に減少させるため)
④冷菓と一緒に服用させる(味覚を鈍麻させるため)
⑤オブラートに包む(袋状のものが薬局に売っています)
⑥少量の微温湯で溶かし、スプーンやスポイトで少量ずつ、なるべく口の奥に流し込む
⑦少量の微温湯で練ってペースト状にし、口腔内に塗布する
⑧少量の水などで練って凍らせ、シャーベット状にする
⑨他の食品と混ぜる:ヨーグルト・牛乳(ミルク)・プリン・ジャム・きな粉
アルカリ飲料・ゼリー・シュークリーム・ムース・ピーナッツバター
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